明治10年5月届

雷斎年基「文武高名伝 賊将淵部高照」

1877-05 年基「文武高名伝 淵部高照」
生住昌大 蔵

画題:文武高名伝 賊将淵部高照
判型:大判錦絵
画工:雷斎年基(鈴木雷之助)/鈴樹年基・印
版元:大阪・前田喜兵衛
記者:鈴木雷之助
彫工:彫政
価格:2銭
届日:明治10年5月12日

詞書

高照は身骨肥満にして、腰体十囲、膂力よく、百斤の重を挙ぐ。本年二十八歳。戦闘に臨で常に袒裼大刀を帯び、歩卒に先して敵を斃す事無数。又、軍略に達す。既に戊辰の役や越後口に於て、薩の小隊長と為り、戦功を顕し、高照が右に出る者無りしは、強の武士と謂つ可し。後、陸軍少佐に任じ、次て島根県の参事に転じ、幾も無く亦陸軍少佐に為りしかど、朝廷、征韓を非と為の議起りしより、高照は憤懣激怒、官を捨て去り、国に在て私学校の部長と為り、衆望多かりしが、狂酒強謾、遂に学徒に疎まれ放逐せられたりしに、今回西郷が一方の将と為り、毎戦敵兵を敗り、猛勇を以て聞ゆ。薩軍中の一英傑なり。

所蔵者/掲載図書

生住昌大
海の見える杜美術館