生住昌大 蔵
画題:(鹿児嶋県)西南実記
判型:大判錦絵
画工:玉亭芳峰(武部安兵衛)/玉亭
版元:(大阪・浅井金治郎)
記者:(浅井金治郎)
届日:明治10年4月□日
出版:明治10年4月□日
詞書
偖て、左翼の正道を官軍攻撃、賊の数塁を抜たるといへども、常に阪の上の砲塁の為に進撃を制せられ、戦ふも利無きゆへに正面の渓を越へ、頻りに上撃して、阪の上の本道を断んと試らるゝに、賊は阪の上より崖に添ふて数塁をつき、其両翼と正面を守戦す。されども官軍、新手の精兵入かへ入かへ、三方より進撃す。此戦争は取分け大戦なり。
爰に貴嶋清宇太郎といふ者、賊塁の将なり。烈しき下地をなし砲戦す。あるは抜刀の長と也、自十分の動をなしたりと。又、官軍は雨あられの如とき小銃の中を手に濡莚を持、勇気盛んに激戦をなしたり。
正面二俣村、渓を隔て田原阪上の本道といふ。左翼、横平山、吉次越。右翼、木の葉より植木の辺。田原阪なり。
(左)貴嶋清宇太郎
所蔵者/掲載図書
生住昌大