明治10年4月届

方円舎清親「鹿児嶋英勇伝 篠原国幹」

1877-04-03 清親「鹿児嶋英勇伝 篠原国幹」
生住昌大 蔵

画題:鹿児嶋英勇伝 篠原国幹
判型:大判錦絵
画工:方円舎清親(小林清親)/方円舎清親・印
版元:東京・松木平吉
彫工:彫銀
届日:明治10年4月3日

詞書

国幹は、温良篤実にして沈深勇あり。堂々正々の兵を御するに慣熟し、敵の正面に向ふて是を破るに尤妙を得、伏見の役、徳川の兵を大阪迠逐ひ、戊辰の夏、上野黒門に向ひ、敵未だ解散せざるに、先導し黒門に入。兵士恐て擁し、門外え七度曳戻すとゆふ。猶、所々に戦功あり。依て陸軍少将に拝し、近衛兵(長)官となり、明治五年、職を辞す。時に種田少将、是を愛ひ、斯の如く士官の退には又慮なき能はず、と談論せしに、諸将、篠原氏は一生を誤らざること明なり、と云あひりと。又、西郷も能く依頼して疑ず、相謀りて其の可否を決すと。今回、西郷の為に誤られるものか。其所業、平生の国幹と異、別人のごとしと伝聞。云云。

所蔵者/掲載図書

生住昌大
熊本博物館