画題:(鹿児嶋県)万古との知ら勢
判型:大判錦絵
画工:未詳
版元:大阪・鈴木利兵衛
記者:鈴木利兵衛
届日:明治10年4月17日
出版:明治10年4月□日
詞書
扨、陸軍の少将には、夜の明るを待て條約の地に勇威美々しく押出されたり。○賊軍、桐のは、其時刻よりも三時間も早く兵を卒して待受たり。野津少将も其辞誤まらず、錦ノ籏の下にたちて兵を指揮し、錦の籏と蓆籏と対峙して、非常の烈戦す。されども両軍、数こくの戦ひ、何れも勝敗決せず、桐のは蓆籏の本より例の竹槍を以て踊り出、むらがる官軍の中に飛込激戦す。最早日も西山に没する頃、両軍引分れ、左右へ兵を引上たり。此に村田少佐、今日の戦場聞、馬にまたがり駈来り、「桐の打もらせしか、残念」と、引行賊軍へ駈付、小銃桐のめがけ打掛る。賊軍取巻中を切抜、陣営に帰られたり。桐のは■肩先少々銃の為疵をする。次号しらす。
所蔵者/掲載図書
生住昌大
福岡市博物館