明治10年3月届

画工未詳「(鹿児島県)有のそのまゝ」三号

1877-02 「有のそのまゝ」3号
生住昌大 蔵

画題:(鹿児島県)ありのそのまゝ 三号
判型:大判錦絵
画工:未詳
版元:大阪・金井徳兵衛
編輯:金井徳兵衛
届日:明治10年3月5日届/同3月出版

詞書

サアサア、鹿児嶋の暴挙は、追々よい噂を聞ます。二月二十二日、二十三日両日の戦争は、官軍、破竹の勢ひにて、賊勢を味方ちかく充ぶんに引入れ引入れ、其斯こそ得たりといふや否、俄に地雷火発したれば、賊勢はあまた空へ打揚げられ、地に斃れ、死傷すくなからず。此急策に、賊は城に近づくことあたはず。官軍、勝利数度。籠城の手当も充分にて、廿七日の戦場には、賊将村田新八は深傷を負ひ、双方しばしば休戦。不日、官軍大挙にして進まん景況。また、賊方には民間の焔硝を捜すに、最はや其人足賃を払ふ事を得ざるほど、兵気おとろへる体裁なれば、此たよりをきき、皆さんかならず世間の浮説を信とせず、安心なされと、吉報を示す。後はをいをい、次号に。

所蔵者/掲載図書

生住昌大
海の見える杜美術館