画題:(鹿児嶋県)まことの電知
判型:大判錦絵
画工:未詳
版元:大阪・鈴木利兵衛
記者:鈴木利兵衛
届日:(明治10年3月26日)
出版:(明治10年4月□日)
詞書
続て暴徒熊本県下にて、官軍は田原坂の賊営を三ヶ所打破り、残る壱ヶ所を陸軍官士何某と名乗りて、無二無三に撃て入り、縦横無尽に勇を震ひ、其身数ヶ所の手傷にて、遂いに七人とも枕を並べて討死せし。目覚しかりし事どもなり。「不詳
又、熊本籠城堅固なり。然るに竹の丸といふ壱丈余石垣有り。此処より賊徒、押入たり。城内にて一夜強しき戦ひの物音聞ゆ。されども壱人も帰り来らず。皆殺になりしや。爰に暴徒加担、一騎当千の若武者、廿年余りのもの、大声をあげ、「音にもきけ、我こそは前原一誠の弟、同苗一格也」と名乗、「先に天網を逃れ、今こそ花々しき兄の吊ひ軍せん」と勇み立ちて其名を籏に記し、竪横に駈回る。「あれ、打取」と聞くに、撃合たり。しらせは次号へ送る。
所蔵者/掲載図書
生住昌大
福岡市博物館