明治10年3月届

長谷川貞信「(鹿児嶋県)人名録 篠原の室国子」

1877-03-27 貞信「人名録 篠原の室国子」
北九州市立大学 蔵

画題:(鹿児嶋県)人名録 篠原の室国子
判型:中判錦絵
画工:長谷川貞信(長谷川徳太郎)/長谷川貞信画・印
版元:大阪・前田喜次郎
届日:明治10年3月27日

詞書

茲に篠原の細女なるは、女隊一方の道を開き、夫乞ふ沼の離れ鴛、氷の衾踏脱で、雪の旦に鹿児島を、跡に見なして潔よく、翅を粧ふ出陣は、白刃を朝陽に閃めかし、修羅の巷を盲明と、突入り突入り、血汐は衣に時ならぬ、花紅ひと綾なして、敵の雲霞を分けつゝも、さも映兆たる景況は、頼みの陣に募集なすは、戦没勇士の枕の斤破れ、又これ貞操を賞すべきや、国害愧婦と呼ぶべきや。可否は灯下の理論を待つ。

かくとだに過にし花に契りしを けふに散なん風のいたづら

所蔵者/掲載図書

北九州市立大学