明治10年3月届

方円舎清親「鹿児嶋英勇伝 西郷隆盛」

1877-04-03 清親「鹿児嶋英勇伝 西郷隆盛」
生住昌大 蔵

画題:鹿児嶋英勇伝 西郷隆盛
判型:大判錦絵
画工:方円舎清親(小林清親)/方円舎清親・印
版元:東京・松木平吉
彫工:彫銀
届日:明治(10)年4月3日

詞書

前名を吉之助と呼。旧幕の頃は江戸に遊び、軍略兵法に達し、智謀人にすぐれ、百事に通じ、其なす処あたらずといふことなし。事に勤王の志し厚く、戊辰の役、参謀となり、東下して其功屡なり。諸書籍に有るを見て知るべし。故に賞典禄二千石を賜はり、陸軍大将正三位たりしも、職を辞して国に戻り、私学校を設立し、士民を撰まず通学させ、自から山林を開拓し、国事に志を尽せしが、方向を誤、今茲に至るも天なるかな、理なる哉。徒弟同苗陸軍中将従道君の朋友に向ひて、「嗚呼、兄貴も今少し早く欧羅巴を一見したらば、斯る事は有るまいもの」と涙ながらに咄されしとぞ。其心中、さこそあらめと思はるゝと、日報社新聞に見ゆ。

所蔵者/掲載図書

生住昌大
玉名市立歴史博物館こころピア