明治10年3月届

楊洲斎周延「鹿児嶋戦記」

1877-03 周延「鹿児嶋戦記」
生住昌大 蔵

画題:鹿児嶋戦記
判型:大判錦絵3枚続
画工:楊洲斎周延(橋本直義)/楊洲斎周延筆・印
版元:東京・木村清助
記者:篠田仙果
価格:6銭
届日:明治10年3月□日

詞書

明治十年二月廿三日、熊本城より二里余へだてし木の葉町へ、三巨魁の一名桐野利秋、命ち知らずの暴徒を卒し、新政府鹿児しま領とみだりに標杭を所々に立、暴威を示し、そなえし所え福岡鎮台一手の兵は、植木宿へ出張し、七本村を左りになし、田原坂の嶮岨の地を占、こぶし下りに炮発なせば、桐野が兵も向ひ戦かひ、双方一歩も退ぞかず、数刻の間だ発合しが、勝敗さらに分ざりける時の、桐野一計あんじ、俄かに石油を大地に雪ぎ、松明をなげ投し、台兵をなやまさんと、深くも工み謀しとぞ。
 鹿児嶋戦争新誌之記者
 篠田仙果述

(右)篠原
(中)谷少将、岡本中佐
(左)桐野利秋

所蔵者/掲載図書

生住昌大
海の見える杜美術館
鹿児島県立図書館
玉名市立歴史博物館こころピア
福岡市博物館
丹波恒夫『錦絵にみる明治天皇と明治時代』