生住昌大 蔵
画題:(薩肥海)鹿児島逆徒征討図
判型:大判錦絵3枚続
画工:早川松山(早川徳之助)/早川松山・印
版元:東京・小林鉄次郎
届日:明治10年3月8日
詞書
上古の事は姑く置て、神武天皇、御世を治しめしてより以来、皇統一姓に存せば、大政総て王室より出ず、云ことなかりしに、島津の祖先源頼朝、相州蛭が児島に起りて、義仲を追討し、平家を西海に沈めてより、国家の政権、武家に出るに至りて六百有余年、将軍職を置れたりしも、一回天下変遷するや、戊辰の役に将軍職を廃止して、天下の政権、皇室より出るに至りて、一新開化に進歩して諸民太平を楽み、今や開明の治世に方り、此度又鹿児島旧藩士等、不平を鳴し、皇統に抗するも暫時の夢を見るが如し。一時、賊軍勝利を得るとも、昔古より朝敵逆徒の暴意を貫ぬきしためしあらんや。官軍がたには海陸ともに十分用意とゝのひしかば、賊軍何かは以てたまるべけんや。
(右)旧陸軍大将西郷隆盛、旧陸軍少将篠原国幹
(中)旧陸軍少将桐野利秋、淵辺
(左)平山新助、
所蔵者/掲載図書
生住昌大
海の見える杜美術館
熊本市博物館
福岡市博物館
丹波恒夫『錦絵にみる明治天皇と明治時代』