生住昌大 蔵
画題:有名十八史略 桐野利秋
判型:大判錦絵
画工:雷斎年基(鈴木雷之助)/雷斎年基写・印
版元:大阪・前田喜次郎
届日:明治10年10月12日
詞書
前称、中村半治郎。強勇、戦を好む。遙かに幕府東征の精功有て、任陸軍少将に昇るを、脱し本国の壮徒に懇会し、遂に西南の兇□に乗じ、旦に戦煙を破り、昏に砲を枕とす。薩肥の戦線、延岡に達すに千折万磨の苦撃なる現今、鹿児島に突入し、城山の砦を堅くして、飽迄官兵に抗ずと雖も、明治十年九月廿四日の挙を期して、軍略最早突詰り、是迄なりと其日の真先に馳周るに、四面を囲む防砲の其身に迫り、膚を貫き屏風斃しに没命せり。連戦永の月日を算へ、至的の功は何れにや。今日の陽までも愉快を究めず、滅すに疾く強に後れ、無暫や同国光明寺に夢路の鬼籍塊となり、烈風木の葉を誘ひ来て、英名すでに埋むを歎ず。生前の詩あり。
圧倒海南三尺剣、蹂躙天下七寸鞋
人若欲識余居処、永住麑城千石街
利秋題
所蔵者/掲載図書
生住昌大
玉名市立歴史博物館こころピア
福岡市博物館