明治10年5月届

雷斎年基「文武高名伝 旧陸軍少将正五位桐野利秋」

1877-05 年基「文武高名伝 桐野利秋」
生住昌大 蔵

画題:文武高名伝 旧陸軍少将正五位桐野利秋
判型:大判錦絵
画工:雷斎年基(鈴木雷之助)/雷斎年基
版元:大阪・前田喜兵衛
記者:鈴木雷之助
彫工:彫政
届日:(明治10年5月12日)

詞書

元中村半次郎と称す。俊傑英断、性倹約質朴、佳美を好ず。田中幸介を師とし、学ぶ。旧藩の時、主君の命に依、国老平田を殺し、遁れて肥後に住す。後、召還され、勤王攘夷の説を主張し、甲子歳、武田耕雲斎を敦賀に逐ふ。京師の戦に、会津を退く。戊辰正月、徳川慶喜を大阪に扼す。同年三月、官軍の先鋒と為り江戸に進み、上野宮を池上本門寺に幽す。後、薩の隊長と為、会津を討て大功有り。事平に及び、官を経て陸軍少将と為り、熊本鎮台に在一年にして陸軍裁判長となり、後、廟議意に適ず、西郷と共に退て本国に帰り、私学校の長となり、壮士を励し、今日兵を挙るに及て、策略、人望、西郷の右に出と。昔日天下に勲功ある豪傑(にして、今日叛賊と為るや噫嗟。)

※掲載図は( )部分がトリミングで失われているため、海の見える杜美術館が蔵する同じ錦絵を参照して補った。

所蔵者/掲載図書

生住昌大
海の見える杜美術館