明治10年4月届

画工未詳「(鹿児島県)誠の電知」十一号

1877-04 「まことの電知」11号
画題:(鹿児島県)まこと電知しらせ
判型:大判錦絵
画工:未詳
版元:大阪・鈴木利兵衛
記者:鈴木利兵衛
届日:明治10年4月17日
出版:明治10年4月□日

詞書

さて木留きとめたゝかさかんにして、いまぬく至らず。左翼さよく官軍くわんぐんすゝんではぎ瀬戸せとむら通過つうくはして、ぞく砲塁ほうるい二、三ヶしよ乗取のりとつたり。
植木うへき戦争せんそうにて、その日はさだかならざれども、賊しやう桐野きりの利秋としあきは、戦書せんしやうしたゝめ、官軍くわんぐん陣営じんゑい使者ししやたて津少将えおくる。「みやふ日何時をして足下そつか一快いつくわいたゝかいこゝろむべし。むしろはたかゝげけるものはすなはち、ぜん陸軍りくぐん少将しやうしやう桐野きりの利秋としあきじんなりと承知しやうちしられよ」と申越まうしこしたれば、野津のづ少将しやうしやうたゞちに返簡へんかんしたゝめ、「来書らいしやうおもむきはいかにも承知いたしたり。にしきはたの下にあるは、陸軍の少将、野津鎮雄ちんゆうなり」と返答せられたり。○桐野、陣営にて酔伏よいふしし、雷の如きいびきとおし眠つて居るといふせつ。右條約じよやく戦争かつせん次号つゞいてにしらす。

所蔵者/掲載図書

生住昌大
福岡市博物館