明治10年4月届

画工未詳「(鹿児島県)誠の電知」十号

1877-04 「まことの電知」10号
生住昌大 蔵

画題:(鹿児島県)まこと電知しらせ
判型:大判錦絵
画工:未詳
版元:大阪・鈴木利兵衛
記者:鈴木利兵衛
届日:明治10年4月□日
出版:明治10年4月□日

詞書

さて熊本くまもと城下じやふか賊兵ぞくひやうは、坪井つぼい仙壇畑せんだんはたの二ヶ所に□合せり。以前より五千人ぞふ加せしよし。
○吉次とふげは去る十七日より廿八日まで大しやふせん。廿五、六どふおよび、両軍りやうぐん手負ておい許多あまたのよし。
○廿六日、明離あけはなるゝころ官軍くわんぐんは三旅団りよだんを宮の原、鏡村を二手にわかれ、はたさしものあさひかがやかし、正々堂々せいせいどうどう押出おしいだし、むらがりすゝ賊兵ぞくへい砕粉こな微塵みじん追崩おいくずし、いきをひに乗じて小川に及び、すな川の賊塁ぞくるいのり取る。此日の戦ひに、賊将ぞくしやう少佐しやうさは、栗毛くりげこま打股うちまたがり、切先より花をらして、激戦げきせん数刻すこくおよび、身にはヶ所のきづ傷を受、今は心神しんしんつかれ、兵卒へいそつとも余多あまたうち取られたり。

「仙壇畑」は、正しくは「千反畑せんだんばた」。

 

所蔵者/掲載図書

生住昌大
福岡市博物館