生住昌大 蔵
画題:(鹿児島県)満ことの電知
判型:大判錦絵
画工:未詳
版元:大阪・鈴木利兵衛
記者:鈴木利兵衛
届日:明治10年3月26日
出版:明治10年4月□日
詞書
夫々鹿子島の暴徒は、去る○三月廿二、三日の戦ひに、暴挙兵中より驍卒三千余、真黒闇に押寄せきたり、大砲小銃雨の如く、雹のごとく飛ぶ中を、面もふらず進み近寄り、蟻の如く群がりて攻め込んとする折柄、兼て城外各処に埋め置し地雷火を曳や否や、黒烟一時におこり、天も焦る歟と思ふ斗り。山川も鳴動す響にて、暴徒数百人を空中に打揚たり。又、城門を八文字に開き、暴徒を馬出しの内に、おびき入れ、大砲一時に放せば、暴徒火焔と共に五、六百余り城外へ飛散たり。
○廿八日、暴挙大難戦の折柄、賊将村田新八は、猛虎の怒をあらわし、味方を助けんと竪横無尽にかけ廻り、数ヶ所の傷を負い、ひき退たり。扨、賊徒は民間の焰硝等さがし、且人足賃等も不払にて、弥官軍の正実を尊み、喜悦の声を発するなり。跡は追々、次号に報す。
所蔵者/掲載図書
生住昌大
熊本市博物館
福岡市博物館