金井源次郎

画工未詳「鹿児嶋事件新報」第弐号

1877-09-19 「鹿児嶋事件新報」2号
生住昌大 蔵

画題:鹿児嶋事件新報 第弐号
判型:大判錦絵
画工:未詳
版元:大阪・金井源次郎
記者:金井源次郎
届日:明治10年9月19日

詞書

つゞいて、暴徒ぼうとふは肥後のくに大口(おおくち)の地の出発おしいだす。よつて官軍司令しれいくわん陸軍りくぐん少将せうせう野津鎮雄しづを精兵せいへうをすぐり、隈本城くまもとぜうよりすゝまれたり。此処に又、鹿児島きん小山田(こやまだ)イシキ(伊敷)タケ(武)村には、賊其せい二千人押出おしいだす。なお加治木(かじき)国分こく(ぶ)シキネ(敷根)福島ふくしまへんにも追々おいおい操込くりこみ充満じうまんせり。此の官ぜい攻将かうせうには大山少将せうせう指揮げじはげしく、海上かいぜうより阿具根あくね上陸ぜうりくし、ぜん後よりしめあわせ、どふ時に進げきなさんとはかられたり。しかるに賊軍は五月五日払暁あけがたよりカフツキ(甲突)川をへだて、其勢そのせい五百人、新庄こへよりしろ山をおそひきたるくわん勢には、台場だいばたがいに砲戦てつほふをとゞめ、乱軍らんぐんうち薩士さつし能勢の(せ)討留うちとめたりとぞ。あとはつぎへおくり升。

野津鎮雄、逸見十郎太、賊軍、官軍

「大口」は、現鹿児島県伊佐市。
「小山田」「イシキ」「タケ村」「加治木」は、現鹿児島県鹿児島市。
「国分」「シキネ」「福島」は、現鹿児島県霧島市。
「阿具根」は、正しくは「阿久根」で、現鹿児島県阿久根市。

所蔵者/掲載図書

生住昌大