生住昌大 蔵
画題:鹿児嶋英勇伝 桐野利秋
判型:大判錦絵
画工:方円舎清親(小林清親)/方円舎清親・印
版元:東京・松木平吉
彫工:彫工銀
届日:明治(10)年4月3日
詞書
利秋は、同県の郷農夫中村某の男にして、旧名を半次郎と呼び、少年より武の志し深く、敢て師に学びしあらん、山野を跋渉し、竹木を斫て腕力を試み、心飽迠剛なれば、戊辰の役、軍監となりて、奥羽越の戦に従ひ、向所敵なく、戦功屡有り。後、桐野の姓を名乗、陸軍の顕職に備りしも、方向を誤て賊隊の首将となり、官兵と抗戦せしが、陸軍少将三浦梧楼君、第三旅団の大兵を率て攻撃し、賊徒も四途路なつて敗走す中に、利秋、唯一騎踏とまり、憤勇を顕せしは、目ざましかりける次第なり。時に明治十歳三月十二日、山鹿口の戦に事ん。
所蔵者/掲載図書
生住昌大