明治10年2月届

永島孟斎「西国戦記銘々伝 永岡久茂」

1876 孟斎「西国戦記銘々伝 永岡久茂」
生住昌大 蔵

画題:西国さいごく戦記せんき銘々めいめいでん 永岡ながおか久茂ひさしげ
判型:大判錦絵
画工:永島孟斎(永島良五郎)/永島孟斎画(※「良五郎」は「辰五郎」の誤り)
版元:東京・山村金三郎
記者:亀谷堂主人
価格:2銭
届日:明治(10)年(2)月8日(※「西国戦記銘々伝 山田英太郎」参照)

詞書

久茂は、旧会津藩にして当今青森県の士族なり。兼て前原、上野等と通じ、赤坂新町三丁目に住居し、常に商法の暗号を以て電信にて打合しが、十月廿七日、前原よりの電報に、ニシキノミセビラキハニジフハチニチという知らせの有しより、家具を売払、同盟の輩十三名と議し、千葉県へ乱入して金を奪、夫より茨城、栃木を横行し、宇都宮の鎮台を討て兵器を奪ひ、越後の長岡に事を為んの企てなるゆへ、小網町より登戸の金七舩へ乗込しが、刀剣を所持せしを船頭に見留られ、交番の巡査に報知せしゆへ、警部補、巡査、四名欠付しかば、叶はぬ所と、七名が上陸し争ふうち、久茂はかたはらの舩にのり込、深川仙台堀まで逃行しが、即に取押へられたり。

所蔵者/掲載図書

生住昌大