玉亭芳峰

玉亭芳峰「西南日新記」壱

1877-08 芳峰「西南日新記」1号
生住昌大 蔵

画題:西南日新記 壱
判型:大判錦絵
画工:玉亭芳峰(武部安兵衛)/玉亭芳峰
版元:(大阪・勝村利右衛門)
記者:内田正鳳
届日:(明治10年8月□日)

詞書

却説さて、西郷隆盛は日しうみやこの城近傍にて、蒲生がまふといふところ潜匿せんだくす。てふより五(里)斗りあり。よつて六月廿九日、衆儀しうぎけつして、高島少将旅団りよだんは同日払暁しのゝめより千の兵を引率いんそつして整々せいせいどふどふのいきふひにて出発し、みやこの城に向ひて進撃しんげきなす。曽我そが少将りよだん、共に蒲生吉田をかうげきなさんと進発しんぱつし、つゞいてみやこぜう目的もくてきしん入す。
○六月廿四日未明より官軍は汽舩きせんにて、一手はわき山より、一手は谷山より進撃しんげき。いまだ汽舩きせんよりことごとく上陸しへざるに、すでに開戦となり、賊軍も炎暑ゑんしよのいといなく砲声ほうせいの中より突出つきいだし、此所を千防戦ぼふせんす。此手の賊せう池部いけべ吉十郎は、逸見十郎太をともなひ、肥後の国水俣みつまた矢筈やはづへんより近傍きんぼふ奔走ほんそふせしに、今此戦せうにて奮戦ふんせんす。官兵には益々勇威ゆういさかんにてき三十人をたをし、尚すゝんで山上のるいぬいたりとぞ。/内田正鳳記

池上四郎、西高源ノ丞、利秋下女、利秋ノ妻、久徳幸治郎、西郷隆盛、薩摩潟十吉、桐野利秋、平山七郎、伊藤直二、山口孝八郎、仁礼喜右衛門、淵辺高照、林七郎次、永山九成、■久保十次、川上周造

所蔵者/掲載図書

生住昌大