生住昌大 蔵
画題:薩徒川尻本陣之図
判型:大判錦絵3枚続
画工:長谷川貞信(記載なし)/長谷川貞信画・印
版元:大阪・矢氏安兵衛
記者:内田正鳳
届日:明治10年6月15日
詞書
却説、暴徒魁首、前陸軍大将正三位西郷隆盛は、川尻に本営を講へ、精兵八百人守ヱなさしめ、謀略を胸中にひめ、各所の戦ひ告ると雖ども、欣然として軍事に関けいせざる如く、連俳は碁を囲み、酒宴をもよをし悠々としたり。此に昨秋、佐賀の暴挙の将・前原一誠の末弟・前原一格といへる壮士、ひそかに逃れ、彼の隆盛に随ひ、虎賁の勢ひをあらはし、白き布に我姓名をしるし、背より脇へ結下げ、高橋口の戦ひ、先鉾を受、竪横に奔走し、勇猛をあらはせしを、西郷は寛示と笑みをふくみ、盃を廻らせしとぞ。
内田正鳳記
(右)西郷の室、こし元、池上四郎、桐野利秋、こし元、永山矢一、河野四郎
(中)西郷の息女、西郷小平、第二隊大将西郷隆盛、別府新助、淵辺高照、村田新八
(左)篠原国幹、前原一格、こし元、西郷ノ男菊之助、大山某
所蔵者/掲載図書
生住昌大
海の見える杜美術館
鹿児島県立図書館